筋力は転倒予防にどれぐらい関与するのか?若者と高齢者の違いからみえてきたこと!

論文タイトル

足圧中心動揺と筋力の関係から見た高齢者の側方ステップ反応特性

医療系論文を理学療法士10年目の私が口語訳して紹介します。

カテゴリー

転倒予防

出典

日本生理人類学会誌Vol11,No.4,2006

論文を30秒にまとめると

口語訳タイトル

ふらつきに筋力はどれぐらい関与するのか?若者と高齢者の違いからみえてきたこと

目的

高齢者のクロスステップ時における身体動揺の特性と筋力の関係性を明らかにする

対象

64~89歳までの高齢者9名(じいちゃん5名、ばあっちゃん4名)

方法

  1. 重心動揺計に乗りクロスステップ動作を行う
  2. ステップ動作における体の動揺具合をみる
  3. それをビデオで観察する
  4. 足の筋力を測り、その関係性をみる

結果

  • ステップ中の片足立ちになる場面で若者に比べ高齢者の方が重心動揺の揺れ速度が低値だった
  • 若者に比べ高齢者では使う筋力の比重が大きかった

著者の考え

  • 若者では足関節を中心に重心動揺を巧みに制御していた
  • 高齢者では全身の筋力を使って重心動揺を制御していた

 私の考え

若者に比べ高齢者の方が重心動揺の揺れ速度が低値だった

一般的には重心動揺が小さい方が安定し、大きい方が不安定と捉えるのが一般的だが、これはあくまでもその場で安定しているときのこと(つまり立っている状態を維持している場合)。

実際は若者の方が重心動揺を大きく動かしてもこけることはまず少ない。片脚立位しても大きくバランスを崩してもこける人ってそう見ないでしょ。

それだけ、自由に動ける幅が広いし、かりにバランスを崩してもすぐに対応できるってことやね。

俺はまだまだこんなダイナミックに動けるんだぜってな感じで。倒せるもんなら倒してみろ的な。

逆に高齢者は動きすぎるとこけちゃうっていうのはわかっている。

だからあらかじめ動いている時なんかは、いかにこけないように、かつ慎重に動いているかがなんとなく想像できる。

わしゃ意地でも危ない橋は渡らんからな的な。

そう考えると、動いた時の体の揺れって若者の方が大きくなっても大丈夫で、それをうまくコントロールできるから転倒せず、逆に高齢者ではこの機能が落ちるからどんどん動けなくなるんじゃないかな。

そして、これをわかっていない高齢者は今まで通り動く中で、どんどん自分を危険においこんでいるんじゃないかな。

よく運動会でお父さんが「俺は昔走るのめっちゃ早かったんやぞ、みとけよ」といきまいて、体がついていかずこけてしまうみたいな。

若者に比べ高齢者では使う筋力の比重が大きかった

これは、あれだな。さっきのこけないように、あらかじめ全身を身構えることで転倒に対応していることのあらわれだろうな。

大きく身体を動かせない高齢者はどうすれば、動かないで済むかをしっている。それは全身を固く、丸めることだ。カメのように固くなるってやつ。

一度は経験したことがあるだろう。高くて足場の狭いところでは容易に片足立ちなんてできないでしょ。普通の平地なら全然問題なくできるのに。

その時って怖いから体がぎゅーとなる感じ。だから高齢者は難易度の高いクロスステップをするときに体全身に力をいれることで、逆に体が大きくゆれないように制御しているってことなんやな。

そう考えると、転倒予防に対するリハビリって筋力をつけることだけでなく、筋力を緩められることで体を自由に動かせるってことを練習するのも良い方法なんだろうね。

 まとめ

転倒の原因は?ってよく聞かれると筋力が・・・ていうことを耳にします。

確かにこけないために筋力は大事だけど、それを状況に応じて、いつのタイミングで自由に使えるかが重要になってきそうやね。

最近では太極拳が転倒予防には非常に大事っていうけど、あれって体をゆっくり動かしながら、重心を大きく移動していく動作だよね。

あれができるって力のコントロールを維持しながら(あまり力まず、かつ力が抜けいない状態を維持する:専門的にいうところの遠心性収縮)、体の動きを大きく動かすことができる最も理にかなった運動なんじゃないかな。

是非、リハビリ場面では力を抜いて大きく動きましょうってことも練習してみてはどうだろうか。

これを高齢者の方がいきなり自分でやるとこける可能性があるから気を付けてくださいね。

本日はここまで~

作者:理学療法士 中上博之

おねがい

口語訳してほしい文献があれば、コメント欄にお願いします^^英語論文でもOKです^^

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