自閉症スペクトラム障害児の行動コントロールを目的としたプログラムの効果
医療系論文を理学療法士10年目の私が口語訳して紹介します。
カテゴリー
療育、発達障がい、音楽療法、自閉症、ASD、多動性障害、ADHD
出典
音楽心理学音楽療法研究年報 45: 50-55, 2016.
論文を30秒にまとめると
僕的タイトル
これやったら自閉症児の衝動性が改善されたよ
何が知りたかったの?
介入して自閉症児の衝動性が改善されるのか知りたかった
誰にやったの?
自閉症児の3歳の男の子2人、IQは100前後
どうやってやったの?
- グループセッション月2回(1回40分)、計6回
- 指示に合わせて音楽を演奏したり止めたりする練習(写真で提示)
- 指示に従わない回数をチェック
- 写真以外にどんな指示が必要だったかを記録
- できたらご褒美シールをあげる
結果
- 最初のセッションは指示に従わないことが多かったよ
- 徐々に指示に従うようになったよ
著者の考え
- 曲のチョイスが良かったんじゃね?ミッションインポッシブルのテーマさいこー^^
- シールとかのゲーム性がよかったんじゃね?おかげで『待つ』嫌悪感が小さくなったのかな
私の考え
最初のセッションは指示に従わないことが多かったよ
前提として二人ともIQは100前後で言葉とか、指示が伝わる子どもってことね。
あとは楽器の音に対する聴覚過敏とかが少なくて、楽器の演奏が楽しいと思える子どもたちってことぐらいかな。
そら目の前に楽器があったら、指示を聞かずに好き勝手に演奏するわいね。それが子どもというもんだ。
好き勝手に叩いたり、弾いたり、奏でたりするだろうよ。
子どもにとっては打楽器とかならもうさいこーでしょうな。
叩く→鳴るの簡潔な因果関係なら安心できるだろうし、
横に同い年の子供がいてその子も叩きならしてたらもうテンションあげあげで
打ち鳴らしまくるだろうね。
それでこそ子供だ^^
これアコーディオンとか、いくつかの動作を連動させないと鳴らない楽器ならどうなるんだろう。
むずかしーって言ってほっちらかすか、ドはまりするかのどっちかなんやろか。
でもこのセッションは『行動制御』を目的にやってるから、簡単な楽器の方がいいんだろうね。
楽器が演奏できなくてつまづいたら先へ進めないもんね。
徐々に指示に従うようになったよ
良かったねー^^
ちゃんと仕組みを作って、子どもの頭にあるキーワードで説明できたら継続もできるよねー^^
レッスン休まずにきてるし。
しっかりレベルも上がってるし。
指示を聞かない回数とかをきっちり記録してると成長がはっきりと目に見えるようになるから、
ほんといいことずくめだね。
生きてる限り脳は成長するから、『どう成長させてあげられるか』ってのを考えないとね。
指示をしっかり入れて、行動してもらって、できたらしっかり褒める。
これって当たり前のことなんだけど、専門家じゃないとなかなか難しかったりするよね。
専門性を高めていくと同時に、誰でもできるようにシンプルに落とし込む作業が必要やね。
あと一つ付け加えるなら、
このセッション中の『指示を聞かない』回数が減ったなら、
それが生活場面のどんなところで反映されたかも記録してほしかったな。
教室ではできるけど、病院ではできません、では困るよね。
発達キッズはそういった『応用』みたいなの、すごく苦手だから、
段階を踏んで慣らしていってあげると病院でも待てるようになるよね。
きっと^^
この研究はきっとそうゆうことを示唆してるよね^^
まとめ
きちんと学習させてあげるときちんと変わるってことが数値化されたいい研究だね。
この『きちんと』ってのがミソで、どういったことがきちんとなのか、
今後決められていくことを期待しつつ、まとめにしたいと思いますー^^
本日はここまで~
作者:理学療法士 国宝 孝佳