転倒に必要なのは筋力をつけること?実は転倒歴には女性と男性で違う特徴があった!?

    

論文タイトル

地域在住中高年者における転倒歴とロコモ度テストおよび運動機能測定値との関連

以下、論文の概要を理学療法士が口語訳して紹介します。

カテゴリー

転倒予防

出典

論文の中身

この論文に対する私の考えを口語訳してまとめます。

僕的タイトル

転倒には筋力を鍛えろ!!これってよく言われるけど、本当なの?

何が知りたかったの?

転倒歴と質問票・立ち上がり動作・ステップ動作(ロコモ度テスト)との関連を、他の運動機能テストとの比較をすることで、その効果を検証する。

誰にやったの?

60~70代の要支援・要介護認定者765名(おじいちゃん354名、おばあちゃん411名)

どうやってやったの?

  • ロコモ度テストの3テスト(質問票、立ち上がりテスト、2ステップテスト)と他の運動機能測定(握力、膝伸展筋力、足趾把持力、5回立ち上がり時間、開眼片脚起立時間、FRT、6m歩行速度)を実施
  • これる群とこけない群に分け、上記テストの2群間比較を行う

結果

  • ほとんどすべての運動機能テスト(足趾把持力を除く)において「こける群」が有意に劣っていた
  • 性別では、男性は上記結果により反映されやすいが、女性は質問票のみ「転倒群」が有意に劣っていた

著者の考え

  • 「こける群」と「こけない群」の比較では、おじいちゃんはこける要因に筋力だけでなく、そのほか様々な運動機能の影響(例えばバランス能力や体力など)を受けやすい
  • おばあちゃんでは家事動作等の影響により環境的な影響をより受けやすく、それによるこけるリスクが高いため、直接的な運動機能との関連性は低かったのではないか

私の考え

結果の項目についての自分の考えを述べます。

「おじいちゃんは運動機能の低下がこけることに影響を受けやすい」について

高度経済成長期を支えてきた現代のおじいちゃん達は、昔は身を粉にして一生懸命働く人が多かった。

しかし、定年後仕事がなくなると極端にやることがなく、動く機会も減り、

自然と運動能力が落ちていくのではないかと考えられる(みんながみんなそういったわけではないが)。

それを背景に、同じような年齢層でも、体力や筋力の低下が著しく障がいをうけやすいのがおじいちゃんなのではないでしょうか。

それが転倒につながる可能性があるということも、これからの高齢化社会を考えた場合、危惧しなければなりませんね。

おばあちゃんの運動機能とこけることが結び付きにくい要因について

それに比べおばあちゃんは、家事をこなしながら、地域の中ではコミュニティを作り、社会の中では仕事とは無関係の活動の場をもっている場合が多い。

そうすると自然と外出する機会も増え、なおかつ、

家ではテレビをみて過ごすおじいちゃんへの食事の準備や買い物など積極的に動く機会が多いのも確かではないか。

そのため、比較的体の衰えが起きず、こける危険性がでてきても、それを耐えられるだけの体の機能が

十分に備わっていたのではないかと考えられる。

これからの高齢化社会を乗り越えていく鍵はおばあちゃんの手にかかってくるのかもしれませんね。

また家に閉じこもりがちなおじいちゃんをどう、社会という名のコミュニティの中に引き出していけるか、

これからの地域の中での関わりなども今後注目すべき点ではないでしょうか。

高齢になってもいつまでも元気にいるためには、働いた後にどれだけ充実した生活が送れるか、そのために今のあいだに会社という組織ではなく、

地域社会においての存在価値をみつけることも大事になってきそうですね・・・

なんか話が大きくなってきたので、この辺でやめときます。

まとめ

こけることの予防には筋力をつけることは大事な要素ではあるのは間違いないですが、

そのほかの運動機能としても様々な要因が絡んでいることがこのデータからみてとれます。

その中でもおじいちゃんにその傾向が強いということが今回わかりました。

その要因としては、いろんなことが推察されますが、個人的にはどうすればこの運動機能の衰えを、年をとっていく中でいかに防いでいけるかが重要になり、

そのキーとなるのがおばあちゃんの存在なのではないかと思っています。

また、このような方々がいつまでも元気で活動的に動けるための地域づくりは今後、国をあげて取り組んでいかなければならない大きな課題になるのではないでしょうか。

では、今日はこの辺で。