高齢者の転倒経験と転倒予防対策の実態は?転倒予防実施の罠

論文タイトル

在宅高齢者における転倒経験と転倒予防対策の実施状況との関係

以下、論文の概要を紹介する。

カテゴリー

転倒予防

出典

理学療法学群馬16:15-19,2005

論文の中身

以下、当該論文に対する私お考察をまとめる。

僕的タイトル

転倒は偶然なのか?それとも必然なのか?

研究目的

お年寄りの転倒経験と転倒予防の実施状況の関連性を明らかにする

対象

70~80歳のおじいちゃん80名、おばあちゃん151名

方法

    • 転倒経験の有無と転倒予防対策の実施をアンケート調査
    • 転倒経験の有無が転倒予防対策の実施率にどのような影響を及ぼすのか検定

    結果

    • 転倒経験と転倒予防実施率には有意な関連はみられなかった

    おまけ

    • 前方へのリーチは『転倒なし・対策なし』群が『転倒あり・対策あり』群よりも有意に大きかった
    • 下肢筋力(体重で正規化)は『転倒なし・対策なし』群が『転倒あり・対策あり』群よりも有意に大きかった
    • DS(老年期うつ病スケール)は『転倒なし・対策なし』群が『転倒あり・対策あり』群よりも有意に成績が高かった

    著者の考察

    転倒経験と転倒予防実施率に有意な関連が見られなかったことに関する記述なし

    私の考え

    以下、結果の項目についての私見を述べる。

    転倒経験と転倒予防実施率には有意な関連はみられなかった

    過去に転倒しているにもかかわらず、

    転倒予防の対策を講じていなかった理由として、

    「偶然ひっかかってコケた」

    「あの時は調子が悪かった」

    などの一過性の因子が影響していると考えている方が多いのではないかと考えた。

    確かに転倒という現象だけをみていると『偶然』の要素は否めない。

    しかし、筋力低下や視力低下、注意機能の低下、

    服薬の影響や疲労の影響などの様々な因子が潜在的に存在し、

    『偶然』引っかかってコケるというのが転倒であろう。

    ほとんどの腰痛と一緒で柔道の合わせ技1本理論だ。

    おまけの結果について

    『なし・なし』群を自信あり、「あり・あり」群を自信なしと解釈すれば当然の結果かと。

    まとめ

    今後はこういった事実に基づく教育・啓発活動を通じて

    高齢者達をモチベートしていく必要がある。

    「コケたのは偶然だから。本当の私はまだまだ大丈夫。まだ本気出してないだけだから。」

    ではなく

    「スリップだろうがつまづきだろうがどんな偶然が襲い掛かってきても踏ん張るだけの足の力をつけよう」

    となるには何が必要か。

    本日はここまで。