転倒における尻もちをつかないために大事なこと、3つ!!

論文タイトル

転倒防止メカニズムの運動力学解析

医療系論文を理学療法士10年目の私が口語訳して紹介します。

カテゴリー

転倒予防、メカニズム、スリップ、後方転倒

出典

日本臨床バイオメカニクス学会誌,vol26,2005,425-429

 論文を30秒にまとめると

口語訳タイトル

すってんころりんのメカニズム


目的

滑りやすい歩行路上でこける人、こけない人の違いは何かを知る


対象

健常な男性の若者(23歳前後)


方法

  1. 10mの歩行路を自由なスピードで歩く
  2. 体につけたマーカーで歩行中の関節の動きを分析
  3. シリコンオイルを塗った滑りやすい路面上を歩く
  4. 転倒のあり・なしによる動きの違いをみる


結果

  • 転倒群は体が後ろに、非転倒群は体が前に移動した
  • 歩行中足をついた後、転倒群では膝関節が曲がりやすく、非転倒群では膝が伸びていた
  • 足全体の動きでみると、非転倒群では股・膝・足が同時に力が入るのに対して、非転倒群では足の反応が遅い傾向にあった


著者の考え

  • 転倒する、しないの違いは膝で踏ん張れるか、否かで変わったよ
  • 足を滑らさないためには、足底でしっかり地面を捉えることと、お尻の力で体をしっかり前に運ぶ必要があったよ

 私の考え

転倒群は体が後ろに、非転倒群は体が前に移動した

これはあれだな。すってんころりんするのは後ろが多く、前に倒れることはあまりないってことだな。

スケート場で前のめりにこける人ってみたことある?どっちかっていうと、滑って後ろにこけて尻もちをつくことが大半だもんな。

確かに、羽生君がスケートしながら前のめりにこけてたら嫌だもんな。

前にこけるとするなら何かにつまづいたりした時がほとんどだろう。

そう考えると、歩いている時は常に重心は前に移動し続ける。

そして、その移動する重心に対して次の一歩がでるから我々はこけることがない。

滑りやすい路面でも一緒で、この重心と足でつくる支える面の関係性がしっかり安定していればこけることはない。

でも、今回みたいに若者でもこける人がいるぐらいなんだから、高齢者になると、それこそ姿勢が悪くなり、円背姿勢なんかになることでどんどん重心が後方に下がってくる。

そう考えると、こういった滑りやすい局面では如何に体を前に持っていくことが必要になってくるかっていうことにつながる。

じゃあ、どういった要素が必要なのか、それが次の結果に関することになるね。

足をついた後、転倒群では膝関節が曲がりやすく、非転倒群では膝が伸びていた

これは一歩踏み込んだ時にどれだけ踏ん張れるかってことにもつながるね。

おじいちゃん、おばあちゃんだとこういった踏ん張る際にしっかり足を伸ばすことって筋力が落ちてくるから当然苦手になってくるわけで、そうなるとこけやすくなるのは容易に想像ができる。

じゃあ、膝が曲がらないようにしっかり伸ばしておけばよいのかってことなんだけど、それはそれでまた違う気がするんだよな。

若い人にはなじみのある「膝神」。そう、某お笑い番組でで有名になったフ〇ーツポンチの〇上って芸人さんで、何をするにも膝が曲がらない。

走ってても、ボールをける時でも、ジャンプするときでも常に膝に力が入ってしまっている。

あんな状態になるとそれこそかえってバランスなんかとれなくなるでしょう。

じゃあ、膝を伸ばすってどういうことなのかを、次の部分で解説していくね。

足全体の動きでみると、非転倒群では股・膝・足が同時に力が入るのに対して、非転倒群では足の反応が遅い傾向にあった

要はこけないためには如何に足を滑らさないか、そのために筋力を使って足を踏ん張り、かつ体重を前に持っていけることが必要になる。

よく「あんたは、どんくさいからよくこけるね」って言うけど、あれはどんくさいんじゃなくて、力を瞬時にコントロールできないっていうことで、足の踏ん張り方が上手いか下手かで分かれるってことなんだろう。

こういうのって運動音痴とかっていうのかな、まさに膝神状態。

実はどんくさいにも原因があるってことで、ただの注意力が悪いとかじゃないってことなんだよな。

その上で大事なのが、どこの関節が大事かってこと。

実は膝関節って股関節と足関節にまたがっている関節だから、二つの関節の影響をもろにうけるってことなんだよね。

お尻が引けば自然と膝は曲がるし、足が地面を押し付けちゃえば膝はピンと伸びてくるし、要は二つの関節によって膝は勝手に動いちゃうってこと。

それを考えれば、しっかり、足で地面を押し付けるために体重を移動させないといけない。

そのための脛の前の筋肉(前脛骨筋)が必要になるのと、お尻の筋肉(大殿筋)でしっかり、体を上方へ持ち上げるっていった二つの要素が必要になってくるのがわかる。

ただやみくもに筋トレするんじゃなくて、目的はしっかり考えないとねってこと。

 まとめ

これ若者だからできる研究なんだろうけど、若者でもこける人がいるってことはお年寄りなんかはもっとすごい結果になりそうだね。

こうやって転倒する原因を探っていくと色んな要因があるのはわかる。

その中でこれって目星をつけるのはすごい難しいことだけど、原因があるってことは、絶対事前に防げることはできると思うんだよな。

転倒というリスクに対して、ただ足を出すことで転倒を防げるのではなく、どういったやり方で足を出すとこけにくくなるのか。

こういったことを考えながら高齢者の転倒を一人でも減らしていくことが今後の高齢化社会を食い止める大事な一歩なんだと思う。

同じ一歩でもどうしていくべきか、転倒への対応も今後の高齢化社会への対応も含め、目的ある一歩が出せるように日々心がけていかないといけませんね。


本日はここまで~



作者:理学療法士 中上博之


おねがい

口語訳してほしい文献があれば、コメント欄にお願いします^^
英語論文でもOKです^^

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